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  • スイス型自動旋盤「SW-20」を発売

    機械系・制御系の両面から、複雑形状部品加工のアイドルタイムを削減

    当社は、“複雑形状部品をより速く”をコンセプトに、医療部品・自動車部品など幅広い分野での複雑形状部品加工をターゲットとしたスイス型自動旋盤(注1)の新製品「SW-20」を開発し、2012年3月より販売を開始します。

    「SW-20」は、最大加工径をφ20mmとし、直線制御軸9軸、回転制御軸2軸の合計11軸制御の複合加工機です。

    正面加工用として、ガイドブッシュを中心に、対向クシ刃型刃物台(手前側:2軸制御、奥側:3軸制御)を配置しました。各々の刃物台を独立制御し、旋削・穴明け・ミーリングなどの加工を同時に行うことにより、加工時間を短縮しました。また、背面加工専用の刃物台にY軸制御付き8軸型ユニットを搭載し、背面側の複合加工能力を充実させることにより、正面/背面での効率的な工程分割を可能にしました。

    さらに、当社独自の制御方式であるスターモーションコントロールシステム(注2)を搭載することにより、制御系統間の切り替え時間や工具交換時間などの非切削時間を徹底的に短縮しました。

    また、最新のNC装置を採用しNC画面上でアラームの内容を確認できるアラームヘルプ機能、作成したプログラムの内容を事前に確認できるプログラムチェック機能など、オペレーターの操作性・作業性に配慮した新機能を取り入れました。

    「SW-20」の特長

    高生産性

    • 対向クシ刃型刃物台による同時加工で加工時間を短縮
    • Y軸制御付き8軸型背面専用刃物台による正面/背面の効率的な工程分割
    • スターモーションコントロールシステムによる非切削時間の短縮

    加工能力

    • Y軸制御付き8軸型ユニットによる背面側での多彩な複合加工

    操作性

    • プログラムチェック機能、アラームヘルプ機能など操作性・作業性に配慮した新機能

    主な仕様

    最大加工径 ø20mm
    主軸台最大移動量 205mm
    主軸最高回転数 10,000min-1
    主軸モータ 2.2kw(連続) / 3.7kw(10分/25%ED)
    背面主軸最高回転数 10,000min-1
    背面主軸モータ 2.2kw(連続) / 3.7kw(10分/25%ED)
    回転工具モータ 1.0kw(連続) / 1.2kw(5分/30%ED)
    刃物台仕様 【正面手前側】 バイト4本(□12mm / □16mm) +
    回転工具3本
    【正面奥側】 バイト2本(□12mm / □16mm) +
    回転工具3本 + 正面固定工具4本
    【背面用】 8本(回転工具最大6本:オプション)
    加工能力 固定工具最大穴明能力 ø10mm
    固定工具最大切削タップ能力 M8×P1.25
    回転工具最大穴明能力 ø8mm
    回転工具最大切削タップ能力 M6×P1.0
    背面加工能力 固定工具最大穴明能力 ø10mm
    固定工具最大切削タップ能力 M8×P1.25
    回転工具最大穴明能力 ø8mm
    回転工具最大切削タップ能力 M6×P1.0
    機械寸法 (幅 × 奥行 × 高さ) 2,588 × 1,150 × 1,765mm
    機械重量 約3,500kg

    (注1)スイス型自動旋盤とは

    スイス型自動旋盤は、時計部品を加工する機械として、1870年代にスイスにおいて考案されました。別名“主軸移動型自動旋盤”とも呼ばれ、直径に比べて部品長が長い部品を高精度に切削できる点が大きな特徴とされています。

    一般的には、細長い部品を汎用旋盤で加工を行うと、加工物がたわみを起こして正しい寸法に仕上げることができません。

    スイス型自動旋盤では、材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュを用い、刃物はガイドブッシュから一定距離の位置で、外径方向の切り込み運動のみを与えるため、加工物はたわみを起こさずに、高精度に切削することができます。また、軸方向の運動は刃物台が移動するかわりに、主軸台が素材をくわえた状態で移動する機械構成となります。

    (注2)スターモーションコントロールシステムとは

    NC制御の場合、一般の加工工程は「工具選択」⇒「アプローチ」⇒「切削」⇒「退避」⇒「次の工具選択」⇒「アプローチ」⇒「次の切削」となり、実際の「切削」以外の非切削時間が加工時間に大きな影響を与えています。スターモーションコントロールシステムは、この非切削時間を短縮する機能です。

    スターモーションコントロールのデータは、「最適化」という作業により容易にNCプログラムから変換して生成することができます。この「最適化」によって制御系統間の切り替えに関わる処理を済ませてしまい、「切削」の工程中に「次の工具選択」⇒「アプローチ」を完了させ、工具の「退避」と同時に次の「切削」に入るように制御します。この制御方式により、「退避」⇒「次の工具選択」⇒「アプローチ」の時間を最小にして非切削時間を短縮します。

    さらに加工精度についても効果を発揮します。NC制御では「次の切削」までの工程を最大早送り速度で軸移動させます。それに対しスターモーションコントロールシステムでは前工程の「切削」時間を最大限利用して最短距離で軸移動を行います。この制御方式により、早送り速度での軸移動による過度な振動を抑制して安定した加工精度の維持に貢献します。


    本件に関するお問い合わせ先

    機械事業部 営業部長  笹井 康直(ささい やすなお)
    Tel.0537-36-5586