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  • スイス型自動旋盤 「SR-20RⅣ type E」を発売

    ~ロングセラーモデルSR-20RⅣに、より幅広いユーザーに最適化された新製品が誕生~

    スター精密株式会社(本社:静岡県静岡市駿河区、代表取締役 社長執行役員:佐藤 衛)は、主力製品であるスイス型自動旋盤(注1)SR-20RⅣモデルの新製品として、最大加工径20ミリメートルの「SR-20RⅣ type E」を開発し、自動車や医療機器をはじめとする幅広い業種に向けて販売を開始します。

    SR-20RⅣは2012年に、手動式の角度調整型回転工具ユニットを搭載した「type A」、同時5軸制御が可能な工具旋回制御軸(B軸)付きの回転工具ユニットを搭載した「type B」の2タイプの販売を開始して以来、さまざまな業種のお客様から高い評価をいただいている、累計販売台数2,400台(2タイプ累計)を超えるロングセラーモデルです。
     このたび販売を開始する「type E」は、多くのお客様からご要望があった同時4軸制御の工具旋回制御軸(B軸)を採用することで、従来機よりも広範囲のニーズに対応することが可能です。

    ■販売開始時期 2025年8月予定
    SB-20Rⅳ Type-E

    主な特長

    1. 同時4軸制御が可能なB軸制御付き回転工具ユニット
      NCプログラムによる回転工具ユニットの自在な角度割り出しが可能です。また、3次元ミリング加工などの同時4軸制御による複雑形状部品の加工に対応が可能です。
    2. 均等荷重クロスガイド構造(注2)を採用した高剛性刃物台
      正面加工用のクシ刃型刃物台に、当社独自技術の均等荷重クロスガイド構造を採用しています。切削時に刃物台ガイドレールにかかるモーメント荷重を軽減することで、高い刃物台剛性を確保し、安定した精度での長時間連続稼働を実現しています。
    3. ガイドブッシュ/ノンガイドブッシュ(注3)切り換え機構
      加工する部品の全長寸法に応じて、最適な仕様に切り換えることが可能です。長い部品の場合は、材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュ仕様で加工物のたわみを抑制しながら、高い精度で加工できます。短い部品の場合は、ノンガイドブッシュ仕様で廃棄される残材を短くすることで、材料コストの削減を可能にしています。
    4. 多彩なツーリングバリエーション
      27ポジションの工具ステーションに、最大41本の工具を搭載可能です。自在なツーリングにより、多彩な複合加工を実現しています。

    主な仕様

    項目 仕様
    最大加工径 φ20mm
    主軸台最大ストローク ガイドブッシュ仕様 205mm
    ノンガイドブッシュ仕様 材料径×2.5(最大50mm)
    正面主軸 最高回転数 10,000min-1
    モーター出力 2.2kW/3.7kW
    背面主軸 最高回転数 10,000min-1
    モーター出力 2.2kW/3.7kW
    回転工具 最高回転数 8,000min-1
    モーター出力 2.2kW
    機械寸法(幅×奥行×高さ) 2,334mm×1,200mm×1,695mm

    (注1)スイス型自動旋盤とは

    スイス型自動旋盤は、金属などの材料を回転させながら、刃物を押し当てて削る旋盤の一種で、時計部品などの小型精密部品を加工する機械として、1870年代にスイスにおいて考案されました。別名“主軸移動型自動旋盤”とも呼ばれています。材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュから、一定の距離で主軸台が把持した材料を送り出しながら加工するため、細長い部品を高精度に切削できる点が特徴です。

    (注2)均等荷重クロスガイド構造とは

    CNC自動旋盤のクシ刃型刃物台は、X軸とY軸の摺動台によって構成されており、一般的に各軸に4個ずつ、合計8個の直動ガイドベアリングによって支持されています。
     均等荷重クロスガイド構造とは、この8個の直動ガイドベアリングを、加工時の負荷が発生する切削ポイントであるガイドブッシュを中心に均等に配置した刃物台構造になります。
     切削時の加工負荷を8個の直動ガイドベアリングに均等に分散させることで、各々の直動ガイドベアリングにかかる荷重を最小限に抑え刃物台剛性を向上させました。この刃物台構造の採用により、安定した精度での長時間連続稼働を可能にし、直動ガイドベアリングの長寿命化も実現しています。

    (注3)ノンガイドブッシュ仕様とは

    ノンガイドブッシュ仕様とは、材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュを取り外したスイス型自動旋盤です。細長い部品加工には不向きですが、ガイドブッシュが無くても加工物がたわまない短い部品であれば、構造上加工できずに廃棄される残材の長さを、ガイドブッシュ仕様の3分の1程度に削減することができます。


    問い合わせ先

     機械事業部 営業部長  加藤 稔(かとう みのる)
     電話番号  0537-36-5511