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  • スイス型自動旋盤 「SB-20RⅡ」を発売

    ~多様化が進む顧客ニーズに応え、ベストセラー機SBシリーズをモデルチェンジ~

    スター精密株式会社(本社:静岡県静岡市駿河区、代表取締役社長 佐藤 衛)は、主力製品であるスイス型自動旋盤(注1)の新製品として、最大加工径が20ミリメートルの「SB-20RⅡ」の販売を開始します。

    SBシリーズは、2003年に初期モデルの販売を開始して以来、自動車、情報通信機器、医療機器をはじめとするさまざまな業種の部品加工用に用いられており、累計販売台数27,000台を超える当社のベストセラー機です。
     今回のモデルチェンジでは、基本性能の向上とともに、オペレーターの使いやすさを追求し、ソフトウェアによる各種サポート機能についても拡充を図っています。また、オペレーターの操作感に応じて選択できるように、工作機械の頭脳となる数値制御(NC)装置について、FANUC(株式会社ファナック)製と三菱電機(三菱電機株式会社)製の2モデルをラインアップしています。

    SB-20RⅡ

    ■販売開始時期 2025年6月予定

    主な特長

    1. 独自技術の高剛性刃物台
      正面加工用の刃物台にSBシリーズ伝統の「スラント型すべり案内面構造」の高剛性刃物台を採用。切削時に発生する荷重を減少させることで、安定した精度での長時間連続加工を実現します。
    2. ガイドブッシュ/ノンガイドブッシュ(注2)切り換え機構
      加工する部品の全長寸法に応じて、最適な仕様に切り換えることが可能です。長い部品の場合は、材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュ仕様で加工物のたわみを抑制しながら、高い精度で加工できます。短い部品の場合は、ノンガイドブッシュ仕様で廃棄される残材を短くすることで、材料コストの削減を可能にしています。
    3. 多彩なツーリングバリエーション
      正面加工用の刃物台にカートリッジ式クロスドリルユニット5軸型を採用しています。3箇所のカートリッジ対応ポジションには、加工部品の形状に応じてさまざまな工具ユニットの取り付けが可能です。
    4. 背面加工能力の向上
      サブスピンドルおよび背面加工用回転工具の出力をUPし、より高負荷な背面加工が可能となりました。サブスピンドルにはビルトインセンサを搭載し、高精度なC軸位置決めを実現しています。
    5. 選べるNC仕様
      当社の既存機種で培ってきたオペレーターの日常作業をサポートする各種便利機能を搭載したFANUC製NC仕様と、直感的な操作が可能なタッチパネルディスプレイ、無線LAN機能を搭載した三菱電機製NC仕様の2モデルを用意しています。
    6. 独自開発の三菱電機製NC仕様専用のモバイルアプリ
      無線LAN機能を搭載している三菱電機製NC仕様専用のAndroid(注3)端末用モバイルアプリを開発しました。工場内のLAN環境を構築しなくても、スマートフォンやタブレットから、機械の稼働状態の監視やプログラム管理などが可能になります。
    7. オンマシンでのプログラム編集に特化した「EASY EDIT」
      必要な項目の数値を入力するだけで簡単にプログラム生成することが可能な対話式入力画面や、コマンドを確認しながら編集、挿入が可能なプログラミング支援機能によって、機械のNC画面上でのプログラム作成を強力にサポートします。
      (※オプション:FANUC製NC仕様のみ)
    8. 切り屑トラブルを解消する「ステップサイクル・プロ」
      専用画面から加工条件を入力するだけで、確実に切り屑を分断することが可能です。また、この専用画面で瞬時最大送り速度を確認できるため、切り屑の状態と刃先にかかる切削負荷を考慮しながら、最適な加工条件に設定することが可能です。
      (※オプション:FANUC製/三菱電機製NC仕様共通)

    主な仕様

    項目 仕様 備考
    最大加工径 φ20mm OP:φ25.4mm
    主軸台最大ストローク ガイドブッシュ仕様 205mm
    ノンガイドブッシュ仕様 50mm 材料径×2.5
    正面主軸 最高回転数 10,000min-1
    モーター出力 2.2kW/3.7kW
    背面主軸 最高回転数 10,000min-1 OP:8,000min-1
    モーター出力 1.5kW/2.2kW
    回転工具モーター 正面用 1.2kW
    背面用 1.0kW OP
    機械寸法(長さ×幅×高さ) 2,070mm×1,095mm×1,775mm

    (注1)スイス型自動旋盤とは

    スイス型自動旋盤は、金属などの材料を回転させながら、刃物を押し当てて削る旋盤の一種で、時計部品などの小型精密部品を加工する機械として、1870年代にスイスにおいて考案されました。別名“主軸移動型自動旋盤”とも呼ばれています。材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュから一定の距離で、主軸台が把持した材料を送り出しながら加工するため、細長い部品を高精度に切削できる点が特徴です。

    (注2)ノンガイドブッシュ仕様とは

    ノンガイドブッシュ仕様とは、材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュを取り外したスイス型自動旋盤です。細長い部品加工には不向きですが、ガイドブッシュが無くても加工物がたわまない短い部品であれば、構造上加工できずに廃棄される残材の長さを、ガイドブッシュ仕様の3分の1程度に削減することができます。

    (注3)Androidは、Google LLCの商標です。


    問い合わせ先

     機械事業部 営業部長  加藤 稔(かとう みのる)
     電話番号  0537-36-5586