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  • スイス型自動旋盤「SP-20」を発売

    ~クシ刃モデルの基本機能を追求し、さまざまな業種の部品加工に適合~

    当社は、自動車、油圧・空圧装置、一般機械など、さまざまな業種の部品加工に適合可能なスイス型自動旋盤(注1)の新製品「SP-20」を開発し、2023年12月から全世界に向けて販売を開始します。

    「SP-20」の正面加工用刃物台には、ガイドブッシュを取り囲むように構成された門型刃物台を採用しています。手前側には最大で8本の旋削用バイトが装着可能で、奥側には7軸型のクロスドリルユニットを装備しています。このクロスドリルユニットは、7軸のうちの5箇所がカートリッジ式ポジションになっており、加工部品の形状に応じて多彩な工具ユニットの装着が可能になっています。また、上部に配置されている穴あけ工具用のスリーブホルダーには、4軸型と5軸型を用意し、穴あけ加工の用途に応じて、いずれかを選択することが可能です。
     背面加工用の4軸型ユニットには工具回転駆動装置を標準で搭載し、背面側でもさまざまな回転工具ユニットを使用可能とすることで、正面/背面での最適な工程分割と同時加工を実現し、サイクルタイムを短縮します。

    多様化が進む部品加工ニーズへの対応として、オプションの選択によって最大でφ25.4mmまでの棒材加工が可能となっています。また、ガイドブッシュ切り換え機構を標準で搭載し、モーターシャフトなど全長寸法が長い部品には、材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュ仕様によって、材料のたわみを抑制した高精度加工が可能です。一方、ナットのような短い部品を加工する場合には、ノンガイドブッシュ仕様(注2)に切り換えることで、廃棄される残材の長さを短くし、材料コストを削減するなど、加工部品の形状に応じた最適な仕様での加工が可能です。

    SP-20

    NC装置には、アラームの内容を画面上で確認できるアラームヘルプ機能をはじめ、オペレーターの日常作業をサポートする各種便利機能を搭載しています。また、切削室ドアには、開口部が広く、段取り替えやメンテナンス時に余裕のある作業スペースが確保できる跳ね上げ式ドアを採用するなど、操作性、作業性の向上にも配慮した機械になっています。

    主な特徴

    高機能

    • 正面側刃物台に刃具装着本数に優れた門型刃物台を採用。手前側の旋削バイト用ホルダーは8本型(□12mm)、7本型(□16mm/□12mm)から選択が可能。また、上部の穴あけ用スリーブホルダーは、4軸型、5軸型から選択が可能。
    • 正面側刃物台の奥側にクロスドリルユニット7軸型を搭載。5箇所のカートリッジ式ポジションには多彩な工具ユニットの取り付けが可能。
    • 切り屑分断に効果を発揮するステップサイクル・プロ(オプション)の搭載が可能。

    高精度

    • 機体各部に配置された温度センサーからのデータをもとに、高精度かつ柔軟な熱変位補正を実現。
    • 正面刃物台回転工具ギアボックスへのオイルミスト冷却により、過度な発熱を抑制。
    • メイン/サブスピンドルにビルトインセンサーを搭載。割り出し精度の向上を実現。

    拡張性

    • オーバーサイズ仕様で、正面/背面ともにφ25.4mmまでの加工が可能。
    • ガイドブッシュ/ノンガイドブッシュ切り換え機構を標準搭載。加工部品の全長寸法に応じて最適な仕様で加工が可能。

    (注1)スイス型自動旋盤とは

    スイス型自動旋盤は、時計部品を加工する機械として、1870年代にスイスにおいて考案されました。別名“主軸移動型自動旋盤”とも呼ばれ、直径に比べて部品長が長い部品を高精度に切削できる点が大きな特徴とされています。
     一般的には、細長い部品を汎用旋盤で加工を行うと、加工物がたわみを起こして正しい寸法に仕上げることができません。
     スイス型自動旋盤では、材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュを用い、刃物はガイドブッシュから一定距離の位置で、外径方向の切り込み運動のみを与えるため、加工物はたわみを起こさずに、高精度に切削することができます。また、軸方向の運動は刃物台が移動するかわりに、主軸台が材料をくわえた状態で移動する機械構成となります。

    (注2)ノンガイドブッシュ仕様とは

    スイス型自動旋盤を基に、ガイドブッシュを取り外した主軸移動型自動旋盤です。ガイドブッシュが無いため、細長い部品加工には不向きですが、ガイドブッシュが無くても加工物がたわまない短い部品であれば、材料を有効に使用することができます。
     スイス型自動旋盤では、材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュ構造部の寸法分だけは、棒材の後端部分を加工することができずに残材として廃棄することになります。
     ノンガイドブッシュタイプでは、廃棄される残材の長さを、ガイドブッシュタイプの3分の1程度に削減することができます。


    問い合わせ先

     機械事業部 営業部長  加藤 稔(かとう みのる)
     電話番号  0537-36-5586