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  • スイス型自動旋盤「SB-12R type G」を発売

    ベストセラー「SBシリーズ」にガイドブッシュ切り換え可能な小径加工モデルを追加

    写真:SB-12R type G

      当社は、スイス型自動旋盤(注1)SBシリーズの新製品として「SB-12R type G」を開発し、主に自動車・情報通信機器・医療分野での小径精密部品加工をターゲットとして、2015年4月より販売を開始します。

      SBシリーズは、2003年に初期モデル「SB-16」を発売して以来、累計販売台数が7,000台を超える当社のベストセラーモデルです。

      今回新たにラインアップに加えた「SB-12R type G」は、2014年6月から販売開始した「SB-16R/20R type G」に続いてガイドブッシュ仕様、ノンガイドブッシュ仕様(注2)の変更が可能な切り換え方式を採用した、最大加工径ø13mmの小径加工モデルです。制御軸構成は、メイン主軸(Z1軸・C1軸)、クシ刃型刃物台(X1軸・Y1軸)、サブ主軸(Z2軸・X2軸・C2軸)の合計7軸制御となります。

      モーターシャフトなど全長寸法が長い部品の場合には、材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュ仕様によって、加工物のたわみを抑制し高精度加工が可能です。一方、ナットなど短い部品の場合には、ノンガイドブッシュ仕様にて廃棄される残材の長さを短くすることで材料コストを削減するなど、加工部品に応じた最適な仕様を選択して加工することが可能です。

      クシ刃型刃物台に、従来のSBシリーズと同様に、当社独自のスラント型すべり案内面構造(注3)を採用し、機械剛性を高めることで、安定した精度での連続加工を可能にしました。

      メイン主軸の最高回転数は15000回転。主軸、サブ主軸ともにC軸制御機能を標準装備しています。また、背面加工専用刃物台に工具回転駆動装置を装備可能とし、背面側での複合加工能力を拡充しました。

      NC装置に、アラームの内容をNC画面上で確認できるアラームヘルプ機能をはじめとした各種ヘルプ機能を搭載。最適なポジションでの作業を可能にする旋回式操作パネルの採用など、オペレーターの操作性、作業性の向上を図りました。


    「SB-12R type G」の特長

    • 加工部品の全長寸法に応じて、ガイドブッシュ仕様/ノンガイドブッシュ仕様の切り換えが可能。
    • クシ刃型刃物台の回転工具は、クロスドリルユニット4軸型・クロスドリルユニット5軸型・カートリッジ式クロスドリルユニット5軸型/5軸高速型の4種類から選択が可能。
    • カートリッジ式クロスドリルユニット5軸型/5軸高速型を装着した場合、3箇所のカートリッジポジションに多彩な工具ユニットを組み合わせることが可能。
    • 背面加工専用の4軸型ユニットに、工具回転駆動装置の装着が可能。偏芯穴加工、スリ割り加工など、背面側での複合加工機能を拡充。
    • メイン主軸にはビルトインモーターを採用。割り出し精度の向上を実現。

    主な仕様

    SB-12R type G
    最大加工径 ø13mm
    主軸台最大移動量 205mm
    メイン主軸最高回転数 15000 min-1
    メイン主軸モーター 2.2kw/3.7kw
    サブ主軸最高回転数 12000 min-1
    サブ主軸モーター 0.55kw/1.1kw
    回転工具最高回転数 ER11 10000 min-1
    ER16 6000 min-1
    回転工具モーター 1.0kw/1.2kw
    正面最大穴明能力 【 固定工具 】 ø10mm
    【 回転工具 】 ER11 ø6mm
    ER16 ø7mm
    正面最大タップ能力 【 固定工具 】 M10×P1.5
    【 回転工具 】 ER11 M5×P0.8
    ER16 M6×P1.0
    背面最大穴明能力 【 固定工具 】 ø8mm
    背面最大タップ能力 【 固定工具 】 M6×P1.0
    機械寸法(幅×奥行×高さ) 2070 × 1177 × 1760 mm
    機械重量 約1750kg

    (注1)スイス型自動旋盤とは

    スイス型自動旋盤は、時計部品を加工する機械として、1870年代にスイスにおいて考案されました。別名“主軸移動型自動旋盤”とも呼ばれ、直径に比べて部品長が長い部品を高精度に切削できる点が大きな特徴とされています。

    一般的には、細長い部品を汎用旋盤で加工を行うと、加工物がたわみを起こして正しい寸法に仕上げることができません。

    スイス型自動旋盤では、材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュを用い、刃物はガイドブッシュから一定距離の位置で、外径方向の切り込み運動のみを与えるため、加工物はたわみを起こさずに、高精度に切削することができます。また、軸方向の運動は刃物台が移動するかわりに、主軸台が素材を把持した状態で移動する機械構成となります。

    (注2)ノンガイドブッシュ仕様とは

    スイス型自動旋盤をもとに、ガイドブッシュを取り外した主軸移動型自動旋盤です。ガイドブッシュがないため、細長い部品加工には不向きですが、ガイドブッシュがなくても加工物がたわまない短い部品であれば、材料を有効に使用することができます。

    スイス型自動旋盤では、材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュ構造部の寸法分だけは、棒材の後端部分を加工することができずに残材として廃棄することになります。

    ノンガイドブッシュタイプでは、廃棄される残材の長さをガイドブッシュタイプの1/3程度に削減することができます。

    (注3)スラント型すべり案内面構造とは

    機械本体側ベースと刃物台を傾斜(スラント)させ、お互いの摺動部をアリ溝と呼ばれる台形状に加工して摺り合わせる摺動面構造です。この構造にすることでお互いの摺動部が面で接触し、機械剛性が向上します。また、ボールネジ中心と切削点が近接する構造となり、切削抵抗によるねじれ方向への荷重(モーメント荷重)を減少させることができます。


    本件に関するお問い合わせ先

    機械事業部 営業部長  増田 文雄(ますだ ふみお)

    Tel.0537-36-5586