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  • スイス型自動旋盤「SB-12Ⅱ/16Ⅱ」を発売

    ~高剛性・高精度SBシリーズを拡充~

    写真:SB-16ⅡtypeE

    当社は、スイス型自動旋盤(注1)「SBシリーズ」の新製品として最大加工径ø16mmの「SB-16Ⅱ」とø12mmの「SB-12Ⅱ」を開発しました。

    「SB-16Ⅱ」は当社既存製品「SB-16」のリニューアル機で、「SB-12Ⅱ」はさらなる小径加工用に今回新たにラインアップに加えたものです。両新製品ともに背面主軸を搭載した5軸制御の「typeC」、背面主軸と背面加工用刃物台を搭載した7軸制御の「typeE」の2タイプがあり、合計4機種を市場投入します。主に自動車・情報通信機器分野での小径部品の加工をターゲットとし、「typeE」を2011年8月、「typeC」を12月より全世界へ向けて販売を開始します。

    「SBシリーズ」は当社独自のスラント型すべり案内面構造(注2)の刃物台を始めとした剛性の高さから安定した精度での連続加工が可能であり、2003年に「SB-16」を発売して以来、市場で高い評価を受けている当社ベストセラーシリーズです。

    今回発売する「SB-12Ⅱ/16Ⅱ」は、幅広い加工ニーズに対応するため、「SB-16」の回転工具のモータ出力を2倍にアップするとともに取り付け本数を1本増設(最大4本)、メインスピンドルC軸制御を標準装備、さらに正面回転工具ユニットの装着を可能とするなど、加工能力と機能を高めました。また、最新のNC装置を採用しNC画面上でアラームの内容を確認できるアラームヘルプ機能を搭載するなど、操作性・作業性の向上を図りました。
     環境への取り組みとして、残材の長さを「SB-16」と比較して25mm短縮、廃棄材料の低減を図りました。また、設計段階でRoHS対応部品を積極的に採用、有害物質を含んだ部品の削減に取り組み、RoHS対応率は99.4%としました。

    主な仕様

    最大加工径 ø12mm/ø16mm
    主軸台最大移動量 183mm(ロータリーガイドブッシュ使用時155mm)
    主軸最高回転数 10,000min-1
    主軸モータ 2.2kw/3.7kw
    背面主軸最高回転数 【typeC】 8,000min-1
    【typeE】 9,000min-1
    背面主軸モータ 【typeC】 1.0kw
    【typeE】 0.55kw/1.1kw
    回転工具モータ 1.0kw/1.2kw
    加工能力 固定工具最大穴明能力 ø10mm
    固定工具最大切削タップ能力 M8×P1.25
    回転工具最大穴明能力 ø7mm
    回転工具最大切削タップ能力 M6×P1.0
    背面加工能力
    (typeC/E)
    最大穴明能力 ø8mm
    最大切削タップ能力 M6×P1.0
    刃物台仕様 【標準】 □12mmバイト×6本+回転工具ER16×3本
    【オプション】 □12mmバイト×6本+回転工具ER16×2本+ER11×2本
    □10mmバイト×7本+回転工具ER16×3本
    □10mmバイト×7本+回転工具ER16×2本+ER11×2本
    スリーブホルダ 【メイン】 4本
    【バック】(typeC/E) 2本
    バック4軸ユニット(typeEのみ) 4本
    機械寸法
    (幅 × 奥行 × 高さ)
    【typeC】 1,875 × 1,133 × 1,750mm
    【typeE】 1,895 × 1,133 × 1,750mm
    機械重量 【typeC】 約1,650kg
    【typeE】 約1,700kg

    (注1)スイス型自動旋盤とは

    スイス型自動旋盤は、時計部品を加工する機械として、1870年代にスイスにおいて考案されました。別名“主軸移動型自動旋盤”とも呼ばれ、直径に比べて部品長が長い部品を高精度に切削できる点が大きな特徴とされています。

    一般的には、細長い部品を汎用旋盤で加工を行うと、加工物がたわみを起こして正しい寸法に仕上げることができません。

    スイス型自動旋盤では、材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュを用い、刃物はガイドブッシュから一定距離の位置で、外径方向の切り込み運動のみを与えるため、加工物はたわみを起こさずに、高精度に切削することができます。また、軸方向の運動は刃物台が移動するかわりに、主軸台が素材をくわえた状態で移動する機械構成となります。

    (注2)スラント型すべり案内面構造とは

    機械本体側ベースと刃物台を傾斜(スラント)させ、お互いの摺動部をアリ溝と呼ばれる台形状に加工して摺り合わせる摺動面構造です。この構造にすることでお互いの摺動部が面で接触し、機械剛性が向上します。また、ボールネジ中心と切削点が近接する構造となり、切削抵抗によるねじれ方向への荷重(モーメント荷重)を減少させることができます。


    本件に関するお問い合わせ先

    機械事業部 営業部長 笹井 康直(ささい やすなお)
    Tel.0537-36-5586