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  • スイス型自動旋盤「SB-16R/20R」を発売

    高剛性・高精度SBシリーズをリニューアル

    当社は、スイス型自動旋盤(注1)SBシリーズの新製品として最大加工径ø16mmの「SB-16R」、ø20mmの「SB-20R」を開発しました。

    両新製品ともにサブ主軸を搭載した5軸制御の「type C」、サブ主軸と背面加工専用刃物台を搭載した7軸制御の「type E」の2タイプを用意し、合計で4機種を市場投入します。

    主に自動車・情報通信機器分野をターゲットとし、「SB-16R/20R type E」を2013年7月、「SB-16R/20R type C」を8月より全世界へ向けて販売を開始します。

    「SB-16R/20R」は、2003年に初期モデル「SB-16」を発売して以来、市場で高い評価を受けている当社のベストセラー「SBシリーズ」のリニューアル機です。

    刃物台には当社独自のスラント型すべり案内面構造(注2)を採用し、機械剛性を高めることで、安定した精度での連続加工を可能にしました。

    メイン主軸にはビルトインスピンドルを採用し、C軸制御機能を標準装備。上位モデルの「type E」では、サブ主軸にもC軸制御機能を標準装備としました。

    正面加工用のクシ刃型刃物台の回転工具は4本仕様と5本仕様から選択が可能。5本仕様では回転工具5箇所のうち3箇所までを自由に交換することができ、多彩なツーリングの組み合わせを可能にしました。

    「typeE」に搭載される背面加工専用刃物台には工具回転駆動装置が装着可能。偏芯穴加工、スリ割り加工など背面側での複合加工機能を拡充しました。

    NC装置には、アラームの内容をNC画面上で確認できるアラームヘルプ機能を始めとした各種ヘルプ機能を搭載。旋回式操作パネルの採用、段取り作業時に便利な手動パルス発生器を用意するなど、操作性・作業性の向上を図りました。

    「SB-16R/20R」の特長

    • クシ刃型刃物台の回転工具仕様は、クロスドリルユニット4軸型/カートリッジ式クロスドリルユニット5軸型の2種類から選択が可能。
    • カートリッジ式クロスドリルユニット5軸型を装着した場合、3箇所のカートリッジポジションに多彩な工具ユニットを組み合わせることが可能。
    • 背面加工専用の4軸型ユニットには、工具回転駆動装置の装着が可能。背面側の複合加工機能を拡充。(typeE)
    • メイン主軸にはビルトインモーターを採用。割り出し精度の向上を実現。

    主な仕様

      SB-16R/20R type C SB-16R/20R type E
    16R 20R 16R 20R
    最大加工径 ø16mm ø20mm ø16mm ø20mm
    主軸台最大移動量 205mm
    メイン主軸最高回転数 10000min-1
    メイン主軸モーター 2.2kw / 3.7kw
    サブ主軸最高回転数 8000min-1 9000min-1
    サブ主軸モーター 1.0kw 0.55kw / 1.1kw
    回転工具最高回転数 ER11 8000min-1
    ER16 6000min-1
    回転工具モーター 1.0kw / 1.2kw
    正面最大穴明能力 固定工具 ø12mm
    回転工具 ER11 ø6mm
    ER16 ø7mm
    正面最大タップ能力 固定工具 M10×P1.5
    回転工具 ER11 M5×P0.8
    ER16 M6×P1.0
    背面最大穴明能力 固定工具 ø8mm
    背面最大タップ能力 固定工具 M6×P1.0
    機械寸法(幅×奥行×高さ) 2070×1177×1760mm
    機械重量 約1650kg 約1700kg

    (注1)スイス型自動旋盤とは

    スイス型自動旋盤は、時計部品を加工する機械として、1870年代にスイスにおいて考案されました。別名“主軸移動型自動旋盤”とも呼ばれ、直径に比べて部品長が長い部品を高精度に切削できる点が大きな特徴とされています。

    一般的には、細長い部品を汎用旋盤で加工を行うと、加工物がたわみを起こして正しい寸法に仕上げることができません。

    スイス型自動旋盤では、材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュを用い、刃物はガイドブッシュから一定距離の位置で、外径方向の切り込み運動のみを与えるため、加工物はたわみを起こさずに、高精度に切削することができます。また、軸方向の運動は刃物台が移動するかわりに、主軸台が素材を把持した状態で移動する機械構成となります。

    (注2)スラント型すべり案内面構造とは

    機械本体側ベースと刃物台を傾斜(スラント)させ、お互いの摺動部をアリ溝と呼ばれる台形状に加工して摺り合わせる摺動面構造です。この構造にすることでお互いの摺動部が面で接触し、機械剛性が向上します。また、ボールネジ中心と切削点が近接する構造となり、切削抵抗によるねじれ方向への荷重(モーメント荷重)を減少させることができます。


    本件に関するお問い合わせ先

    機械事業部 営業部長  笹井 康直(ささい やすなお)

    Tel.0537-36-5586