スイス型自動旋盤「SB-12RⅡ」を発売
~小径加工に求められる進化を実現、加工対応力を高めたSBシリーズの新モデル~
スター精密株式会社(本社:静岡県静岡市駿河区、代表取締役 社長執行役員:佐藤 衛)は、スイス型自動旋盤(注1)SBシリーズの新製品として、最大加工径13ミリメートルの「SB-12RⅡ」を開発し、医療機器、コネクタ、ヒューマノイドロボット関連をはじめとする小径精密部品加工向けに販売を開始します。
SBシリーズは、2003年に初期モデルの販売を開始して以来、累計販売台数3万台を超える当社のベストセラー機で、自動車、情報通信機器、医療機器をはじめとするさまざまな業種の部品加工用に用いられています。新製品「SB-12RⅡ」は、同シリーズの小径加工モデルとして市場から高い評価を得ている「SB-12R type G」(以下、従来機)の後継モデルとなります。
今回のモデルチェンジでは、正面加工用刃物台の回転工具の最高回転速度を引き上げ、サブ主軸モーターと背面回転工具モーターの出力を向上させました。各種機能を強化したことで、小径精密部品の加工に求められる加工品質と生産効率をさらに高めています。また、サブ主軸で把持できる部品の長さを最大80ミリメートルから105ミリメートルに拡大するなど、多様化が進む小径部品加工のニーズに幅広く対応します。
■販売開始時期
2027年春以降、国内外ともに順次販売開始
主な特長
1. 独自技術の高剛性刃物台
正面加工用の刃物台には、高い剛性を備えた当社独自の「スラント型すべり案内面構造」を採用。切削時に発生する荷重を減少させることで、安定した精度での長時間連続加工を実現します。
2. ガイドブッシュ/ノンガイドブッシュ(注2)切り換え機構
加工する部品の全長寸法に応じて、最適な仕様に切り換えることが可能です。長い部品の場合は、材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュ仕様により、加工物のたわみを抑制しながら高精度な加工を実現します。短い部品の場合は、ノンガイドブッシュ仕様への切り換えにより廃棄される残材が短くなるため、材料コストの削減につながります。
3. 多彩なツーリングバリエーション
正面加工用の刃物台にカートリッジ式クロスドリルユニット5軸型を採用しています。3カ所のカートリッジ対応ポジションには、加工部品の形状に応じてさまざまな工具ユニットの取り付けが可能です。
4. ツーリングバリエーションを拡充する新開発工具ユニット
①斜め穴加工ユニット(オプション)
SBシリーズ初登場となるユニットです。オプションを装着することで、斜め穴などの傾斜加工が可能となり、小径部品における複雑形状の複合加工にも対応できます。
②スレッドワーリング(ねじ切り加工用)ユニット高速型(オプション/開発中)
最高回転数5000min-1を実現することにより、小径ねじ加工において、サイクルタイムの短縮と加工面品位の向上に貢献します。
5. 高精度なサブコレットスリーブ(コレットを保持する筒状の部品)
サブ主軸用のコレットスリーブの寸法精度を高めることで、サブコレット取り付け時の芯ずれを最小限に抑え、安定した高精度な小径加工を実現します。
6. 背面加工能力の向上
サブ主軸モーターの出力を従来機比で約3倍に、背面回転工具モーターの出力を0.75kWから1.0kWに強化しました。また、ビルトインセンサーの搭載により、高精度なC軸位置決めを実現します。
7. 高精度小径加工に貢献するオプション
①刃物台用スペーサー(オプション)
ボス長ガイドブッシュ(ガイドブッシュの先端部分を長くしたタイプ)を使用した際に刃物台用スペーサーを装着することにより、旋削工具および回転工具の刃先をガイドブッシュにより近接させることが可能となります。これにより、切削負荷によるワークのたわみを軽減し、高精度な小径加工を実現します。
②2タイプのスリーブホルダー(標準オプション)
ガイドブッシュとの間隔が76ミリメートルの従来品に加え、より間隔が短い60ミリメートルの新たな仕様をラインアップ。加工部品の形状に応じて、2タイプのスリーブホルダーから選択可能です。
8. 省スペース設計
機体の奥行寸法を従来機比で約10%削減。限られた工場スペースへの設置性を高めました。
主な仕様
| 項目 | 仕様 | |
|---|---|---|
| 最大加工径 | φ13mm | |
| 主軸台最大ストローク | ガイドブッシュ仕様 | 205mm |
| ノンガイドブッシュ仕様 | 材料径×2.5(最大30mm) | |
| メイン主軸 | 最高回転数 | 15,000min-1 |
| モーター出力 | 2.2kW/3.7kW | |
| サブ主軸 | 最高回転数 | 12,000min-1 |
| モーター出力 | 1.5kW/2.2kW | |
| クロス回転工具 | 最高回転数 | 8,000/12,000min-1 |
| モーター出力 | 1.2kW | 背面回転工具 | 最高回転数 | 8,000min-1 |
| モーター出力 | 1.0kW | |
| 機械寸法(幅×奥行×高さ) | 2,070mm×1,095mm×1,775mm | |
(注1)スイス型自動旋盤とは
スイス型自動旋盤は、金属などの材料を回転させながら、刃物を押し当てて削る旋盤の一種で、時計部品などの小型精密部品を加工する機械として、1870年代にスイスにおいて考案されました。別名“主軸移動型自動旋盤”とも呼ばれています。材料の振れ止め装置として働くガイドブッシュから一定の距離で、主軸台が把持した材料を送り出しながら加工するため、細長い部品を高精度に切削できる点が特長です。
(注2)ノンガイドブッシュ仕様とは
ノンガイドブッシュ仕様とは、材料の振れ止め装置として働くガイドブッシュを取り外したスイス型自動旋盤です。細長い部品加工には不向きですが、ガイドブッシュが無くても加工物がたわまない短い部品であれば、構造上加工できずに廃棄される残材の長さを、ガイドブッシュ仕様の3分の1程度に削減することができます。
問い合わせ先
機械事業部 営業部長 鶴田大介
電話番号 0537-36-5586