トップメッセージ
私たちスター精密グループが1950年の創業以来培ってきた精密加工、組立およびソフト技術は、資源の省力化に大きく貢献しています。
工作機械事業の主力製品である主軸移動型自動旋盤の最大の特長は、「無人で最少の材料からより多くの部品を作り出すこと」、すなわち棒材を加工する際に生じる切粉、残材を最少に抑え、より多くの高精度部品をより短い加工時間で効率的に生み出すことにあります。
特機事業の主力製品であるPOSプリンターにおいても、世界でいち早く電子レシート発行機能を装着することで、紙の消費を伴わないレシート発行を実現しました。
これらのように、私たちは主力製品の機能を磨きあげ、世界のお客さまに使っていただくことで、省人化に加え、鋼材や紙、電力といった省資源化を実現し、ひいてはそれが温暖化ガス排出量削減、循環型社会の実現といった、環境課題の解決につながる事業ポートフォリオを形成しています。私たちの事業活動そのものがサステナブル社会の実現に貢献できる事業体であるということに喜びと責任を噛みしめながら、更なる社会の持続的発展に貢献するために、社内の推進機関であるサステナビリティ委員会にて諸課題に対する目標を設定し、達成に向けて行動してまいります。
環境
グローバルに事業展開するスター精密グループにとって、世界環境の保護は、事業継続の基礎といっても過言ではありません。持続可能な社会の実現に向けて、サプライチェーンの協力企業の皆さまと共に、カーボンニュートラルを目指していきます。なお、当社グループでは、Scope1,2について、2030年度に2013年度比46%削減するという中間目標に対し、2023年度は2013年度比33%の削減でした。また、当社の行動指針の一つに「技術にこだわる」があります。社会に新しい価値を提供するため、技術を追求し、磨き続けることで、環境配慮型製品、サービスを創出するという目標のもと、省エネ、資源リサイクルを考慮した新製品の開発を行いました。また、2024年に着工する工作機械事業の新工場はZEB認証の取得を予定しており、最新鋭のサステナブル工場を目指します。
社会
私たちは、国籍や人種、性別等の垣根を越え、常に世界の仲間と互いに尊重し合いながら、強固なチームワークでグローバルニッチ企業としての地位を築いてきました。人権を守り、多様性を重視し、互いに尊重し合う企業文化をより高め、しなやかで活力と信頼感に満ちた企業体を構築していきます。この目標に向け、多様な人材の育成と活用に注力すべく、日本の工作機械業界で遅れている女性の管理職層比率の上昇に努めると共に、グローバル人材育成のための教育研修の充実を図ってまいります。
企業統治
私たちは、内部統制を強化し、法令や規範、コンプライアンスを遵守する企業風土を守り、高めていきます。また、ステークホルダーの皆さまの利益を最大化するために経営監視の仕組みを確固たるものとし、企業価値を高めていきます。コーポレート・ガバナンスを深化すべく、取締役会の監督機能の更なる強化を図り、公正で積極的かつ適切な情報開示などを通じた透明性の高いガバナンス体制の構築を進めます。
私たちは企業理念のもと、企業と社員が共に成長し、「企業価値の持続的向上」「社会の持続的発展への貢献」「社員の人生を豊かに」という目標の実現を目指しています。サステナビリティ基本方針に基づくマテリアリティへの取り組みが、これらの目標に近づくための必須要件であると認識しています。同時に私たちがこの道を進むためには単独の力だけでは限界もあり、世界のステークホルダーの皆さまのご理解とご協力が欠かせません。「企業価値の持続的向上」を通じ、皆さまのご期待に応えられるようグループ一丸となって邁進してまいります。引き続き、スター精密グループをご支援いただきますようお願いいたします。
代表取締役社長
佐藤 衛