工作機械事業

ニーズを知り尽くしたユーザーがつくる、ユーザーのための高性能マシン

スター精密の工作機械製造の歴史は、自社で時計部品を加工するために自ら自動旋盤を製造したことから始まりました。以来、私たちスター精密は、「ユーザーによる、ユーザーのためのマシン」という基本理念のもと、市場ニーズに応えるマシンを生み出し続けています。
1962年にイギリス向けに輸出を開始して以来、スター精密のマシンは、その優秀性・独創性で、国内のみならず海外のユーザーからも高い評価をいただいてきました。現在では中国・タイの生産拠点のほか、欧州・米国・アジアに広がる営業拠点を含めたグローバルネットワークを構築し、世界中のユーザーへのサポート体制を確立しています。

高精度の精密部品を生み出すスター精密の工作機械

加工目的に合わせてラインナップされたスター精密のマシン。
単純加工から複雑加工、小径から大径、短尺から長尺まで、あらゆる部品加工ニーズをフルカバーしています。

スター精密の工作機械は主にスイス型自動旋盤(別名:主軸移動型自動旋盤)と呼ばれる、高精度で小型の精密部品加工に適した機械です。このスイス型自動旋盤は、元々は腕時計部品を大量に加工する機械として、1870年代にスイスにおいて考案されました。
小径部品や細長い部品を一般的な汎用旋盤(図2)で加工を行なうと、加工時に発生する負荷によって材料がたわみを起こしてしまい正しい寸法に仕上げることができません。スイス型自動旋盤(図1)では、材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュを用い、刃物はこのガイドブッシュから一定距離の位置で加工を行ないます。そのため、小径部品や細長い部品であっても、材料のたわみを起こさずに高精度に加工することが可能です。
近年では、自動車、デジタル機器、医療機器など、高精度な小型部品が必要とされているあらゆる分野にその利用範囲が広がっています。

精密部品加工を支えるスター精密の独創技術

「スラント型すべり案内面構造」
機械本体側ベースと刃物台を傾斜(スラント)させ、お互いの摺動部をアリ溝と呼ばれる台形状に加工して摺り合わせる摺動面構造です。この構造にすることでお互いの摺動部が面で接触し、機械剛性が向上します。また、ボールネジ中心と切削点が近接する構造となり、切削抵抗によるねじれ方向への荷重(モーメント荷重)を減少させることができます。

「主軸筒すべり案内面構造」
全長寸法の短い部品を効率的に加工するために、ガイドブッシュ装置を取り外したノンガイドブッシュ仕様に採用しています。素材を把持した状態で移動する主軸台の主軸筒部分の外径寸法に合わせて加工したガイドリングによる摺動面構造です。主軸筒とリング側案内面の隙間をなくしたこの構造にすることで、切削時に主軸台にかかる加工負荷を、切削点に近いすべり案内面で支持することで、主軸台の剛性を向上させることができます。

「スターモーションコントロールシステム」
サイクルタイムを短縮し効率的な生産性を実現するために開発したスター精密独自の制御技術です。この制御方式では、運転前にNCプログラムを解析し、制御系統間の切り替え時間や工具選択動作などを最適化することにより、部品を加工していない非切削時間を削減します。また、各軸の位置決め動作時に最大速度を用いずにゆっくりとした動きで制御が可能なため、ボールねじやベアリングなどの消耗部品の寿命延長にも効果を発揮します。