PROJECT STORY #1
スイス型自動旋盤「SD-26」
開発ストーリー
世界の期待に
チームワークで挑む。
スター精密のスイス型自動旋盤は長年に渡り世界中で活躍してきました。
その新ラインナップとして開発されたのが「SD-26」シリーズ。
開発チームとして携わった4名が、当時を振り返って語ります。
MEMBER
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プロジェクトリーダーY.A
機械事業部 開発部 機械開発室2010年 新卒入社
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評価担当K.K
機械事業部 開発部 評価開発室2001年 新卒入社
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制御設計担当K.S
機械事業部 開発部 制御開発室2005年 新卒入社
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機械設計担当M.D
機械事業部 開発部 機械開発室(当時)2014年 新卒入社
CHAPTER 01
かつてない
4タイプ同時開発への挑戦。
Y.A
「SD-26」の開発プロジェクトは、スター精密の得意とする「スイス型自動盤」のボリュームゾーンをカバーする新しい機械の開発としてキックオフされました。当社には20mmサイズ、32mmサイズ対応の機械がありましたが、ヨーロッパやアメリカのお客様から、その中間サイズへのニーズを多くもらっていたんです。
K.K
待ち望んでいたお客様も多くて、社内外から注目度の高いプロジェクトでしたね。
Y.A
私はプロジェクトリーダーとして、企画立案から製作過程、販売開始までを一貫して管理しました。スケジュールや他部署との調整などのプロジェクトマネジメントや、国内・海外展示会のアテンド(販促活動)も私の役割です。
M.D
プロジェクトリーダーから機械の大枠である構想設計ができてくると、それを元に部品一つひとつまで詳細に設計し、きちんと動くよう検証していくのが、私の担う「機械設計」の仕事。今回はスキルアップのため、K.Kさんに教えてもらいながら評価試験の応援にも行かせてもらいました。
K.S
私はM.Dさんと並行して、NC旋盤の「制御設計」を行いました。機械のシステムに関わる設計で、主に操作パネルや筐体など電装品の設計、ソフトウェア設計、各種パラメータの調整やスピンドル・サーボモーターのチューニングを担いました。
K.K
私が担当している「評価」では、K.SさんやM.Dさんたちの設計した試作品が、要求される仕様を満たしているか、お客様が期待する機能・能力を有しているかを、さまざまな試験を通して確認します。
Y.A
「SD-26」はさまざまな加工ニーズに対応する必要があったため、仕様を固めていくにつれ1タイプでは対応できないことがわかってきて。最終的に4タイプを同時につくることになったのは、チャレンジの一つでしたね。
K.K
初めて聞いた時は本気ですかって思いましたよ(笑)グレードごとに4タイプあるので、同時に複数の試作品を適切な方法で評価する必要があったので。
K.S
NC旋盤の仕様も、グレードごとに変える必要がありました。いかに共通化して効率よく進めるか、チームでたくさん話しましたね。
Y.A
1機種で4タイプというのは、私の知る限り他にはないもの。技術面はもちろん、スケジュール面でもチャレンジングでした。ただ、振り返ると、課題が大きかったからこそ良いプロジェクトになったとも感じています。
CHAPTER 02
若手の挑戦を、
成長の機会に。
K.K
開発は職種を超えた連携が欠かせません。「SD-26」も評価の段階で「これは解決が難しそうだ」と思われる場面が何度かありました。でも設計者が考え抜き、解決策を素早く実現してくれたおかげで、全体のスケジュールを守ることができた。その対応力には、仲間として頼もしさを感じました。
M.D
スター精密は上下も横も風通しがいいので、いつも助けられています。若手の意見も真摯に聞いてもらえますし。心の中ではドキドキしているんですけど(笑)
K.S
M.Dさんは飲み込みが早いし、自分の意見をちゃんと持っているから、私たちの方も気が引き締まりますよ。
Y.A
若いメンバーの良いところは、ベテランにはない新しい発想でアイデアを出してくれるところ。新鮮だし、刺激になります。
M.D
ただ、それが必ずしも良い方向に行くとは限らなくて。設計の仕事はクオリティだけでなく、コストやスケジュールの合理性も非常に大事なのですが、うまくクリアできず、意見がバッティングすることもありました。でも今回は皆さんにアドバイスをもらいながら乗り越えることができて、人間的に成長できたと感じています。
Y.A
お客様によりよく使ってもらうというゴールをみんなが共通して持っているから、多少ぶつかっても大丈夫。同じ方向に進んでいけるんです。
CHAPTER 03
ピンチのときも、
みんなで乗り越える。
M.D
試作品が完成して、シカゴの展示会に参加したときのエピソードも忘れられません。
K.S
いよいよ晴れてお披露目を迎えるという展示会の数日前、目玉製品の「SD-26」に工具干渉のトラブルが・・・。
M.D
私は日本にいましたが、K.Sさんからメールが届いて、社内がざわつきましたよ。
K.S
すぐに現地にいる人たちで集まって、対応策を相談して、リカバリー作業を始めることに。ひやっとしましたが、最終的に間に合わせることができました。思えばピンチのときも深刻になりすぎず、すぐ対応策に切り替えられるのはスター精密の強みですね。誰かのミスだったとしても、当人を責めることは絶対にない。
Y.A
信頼関係が重要なこの仕事において、誰かのせいにすることはタブー。それをみんなよくわかっているから。
M.D
みんな勝手に一歩踏み込んで、フォローし合っていると感じます。「勝手に」ってすごいですよね。決まったことだけじゃなく、全員が改善的な視点を持って仕事に向き合っているなと。
CHAPTER 04
販売開始は、
第二のスタート。
Y.A
シカゴ(アメリカ)の展示会を皮切りに、シュトゥットガルト(ドイツ)での展示会にも出展しました。シカゴの展示会では、初日に5台の受注を得るという、あまり経験したことがない速報を受けました。これは本当にうれしかったですね。それに、海外拠点の社員から、「この機械はスペシャルだ。ありがとう。」という声をかけていただいた際は、仕事冥利に尽きる、とても感慨深い気持ちになりました。
K.S
私にとって、展示会が終わって販売開始されてからが第二のスタート。これから社内やお客様から、実際に使ってみた上でのフィードバックが入ってくる。それを受けて、サポートと改善が始まります。
M.D
第二のスタート、いい言葉ですね。本当にそう感じます。
Y.A
スター精密の製品はずっと使っていただくことを前提にしているので、SD−26はまだまだこれから。何年も使ってもらって初めて、本当の評価をいただける。
K.K
もちろんお客様はスター精密の品質を信頼してくださっているので、できる限り不具合をなくしていく努力は惜しみません。ただ、世界中で使われていくため、想定外の使い方をされるケースも。それは逆に、改善のチャンスと捉えています。
K.S
いいフィードバックは、いい製品を生み出す。お客様も含めて、みんなでいい機械をつくっていく。それがスター精密なのかもしれませんね。
Y.A
スター精密には先輩方が生み出したすばらしい製品がたくさんあります。それを超えるものをつくっていきたいという気持ちを糧に、これからも挑戦を続けていきたいですね。